シンプルで安定感のあるファサード
この住宅は、街並みに溶け込む切妻屋根を特徴としています。正面ファサードは付加断熱工法の塗り壁仕上げで、温かみと機能性を兼ね備えたデザインです。南側道路に面した敷地でありながら、南側には窓を設けず、代わりに東西方向の開放性を強調する設計となっています。この選択がプライバシーを守りつつも、圧倒的な開放感を生み出しています。



内観1:広がりを生む吹き抜けとつながる空間
リビング上部には大きな吹き抜けが設けられています。この吹き抜けは、リビングを中心にダイニングや子ども部屋、中庭、玄関までのつながりを生み出し、空間に広がりを与えています。南側の壁には窓を設けず、代わりに東西の窓から光と風を取り込む設計が、26坪の延床面積を超えたスケール感を生み出しています。



内観2:中庭が作り出す内外の一体感
中庭は、外部と内部をつなぐ要の空間です。上下の窓の間に設けられた構造表しの梁が、サッシを一体化した印象を与え、中庭との連続性を強調します。この中庭は、プライバシーを確保しながらも光を取り入れる仕組みを備えています。また、西側の外壁は夏の強い日差しを遮り、快適な室内環境を実現しています。

内観3:家族をつなぐ階段と回遊性
住まいの中心には階段が設けられており、単なる移動のための設備ではなく、家族が自然と集う場として機能します。階段を起点に各エリアが緩やかにつながり、日常の動線がスムーズになるよう計画されています。スタディコーナーやランドリースペースを通路に組み込むことで、廊下としてのデッドスペースを排除し、効率的な空間利用を実現しています。



内観4:素材がもたらす自然な温もり
室内の大部分は、自然素材を用いた統一感のあるデザインとなっています。ラワン合板を採用した壁面や建具、杉材の床材と階段材が、空間に柔らかさと温かみを与えています。これらの素材は、経年変化によってさらに味わいを増し、住まい手とともに成長していく住空間を作り上げています。



内観5:変化に対応する子ども部屋
子ども部屋は、リビングとの距離を適度に保ちながらも、視覚的なつながりを意識した設計です。成長に合わせてカーテンや間仕切りを設けることで、空間の可変性を確保しています。さらに、省スペース化のアイデアとして、互い違いの2段ベッドを採用するなど、機能性と遊び心を兼ね備えた設計となっています。



内観6:回遊性を持たせたダイニングキッチン
ダイニングキッチンは、モルタル仕上げの造作テーブルを中心に回遊性を意識した配置です。キッチンエリアは床を一段下げることで、ダイニングで過ごす家族との目線が合うよう工夫されています。また、テーブルには作業台や収納スペースの機能を持たせ、生活の利便性を高めています。



中庭:癒しと機能性を兼ねた外部空間
ダイニングキッチンは、モルタル仕上げの造作テーブルを中心に回遊性を意識した配置です。キッチンエリアは床を一段下げることで、ダイニングで過ごす家族との目線が合うよう工夫されています。また、テーブルには作業台や収納スペースの機能を持たせ、生活の利便性を高めています。



つながりのある住まいがもたらす豊かさ
この住宅は、限られた敷地や面積を超えた空間の広がりと、家族が自然に交流できる設計を実現しています。ウチとソト、家族と空間をつなぐ藤本氏のデザインは、単なる住まいではなく、「暮らしそのもの」を形にしたものです。
